サラリーマンの方は年の途中の退職など、
特別な理由がなければ会社で年末調整を行うため、
ご自身で確定申告を行うことは通常ありません。
このため、医療費控除のことをご存じない方が大勢いらっしゃいます。
医療費控除を簡単に説明すれば、
病院での治療費や薬代などの医療費を一年間で10万円以上支払った方は、
確定申告をすると納めた所得税が支払った医療費と所得税率に応じて還付される制度です。
10万円と聞いて、「そんなに支払ってないよ」と思われた方、
医療費控除には落とし穴(?)があります。
医療費控除の対象となる「10万円以上の医療費」とは、
自分自身の治療等にかかった費用だけではなく、
貴方が支払った家族全員の医療費の合計となります。
お子さんにかかった医療費はもちろんのこと、
例えば、別居しているご両親の医療費を貴方が支払っていれば、その分も合算できます。
この場合、ご両親が貴方の医療保険の扶養者であるか否かは関係ありません。
誰がその医療費を支払ったかがポイントになります。
医療費控除には医療費の領収書が必要になるため、
「実家の母親に病院の領収書が残っているか聞いてみる!」
という方が数人いらっしゃいました(笑)。
ただし、医療保険などで補填された金額(将来の受け取り予定額も含む)
は除かれるので注意してください。
医療費控除申告書の作成方法はいろいろありますが、
ここでは一番簡単だと思われる医療費の領収書を基に、
国税庁のHPからパソコンを使って紙ベースの申告書を作成する方法を簡単に紹介します。
必要な書類は、貴方(医療費控除を申告する人)の源泉徴収票と医療費の領収書となります。
ここで重要なことは、領収書を事前に人別・医療機関別に集計しておくことです。
言い換えれば、この人別・医療機関別の集計が出来れば、
作業の半分以上が終わったも同然です。
確定申告書は、国税庁HPの確定申告書等作成コーナーへ行き、
ご自身に当てはまる区分を選択していけば、申告書印刷まで一連の流れで作成できます。
ここで注意点ですが、確定申告書作成の途中で医療費入力の選択画面が出ます。
通常は「医療費の領収書から入力する」と
「医療費集計フォームを読み込む」のどちらかを選択して、
人別・医療機関別に集計したデータを入力していくのですが、
領収書一枚一枚を個別に入力するのだと勘違いされる方がおられます。
ここでは、人別・医療機関別に集計したデータを入力して下さい。
この確定申告書作成フォームは、お役所仕事にしては出来がいいので(笑)、
画面の指示どおりに入力していけば難しいことはありません。
入力データは何度でも途中保存できますので、
わからなくなったらその都度データ保存していくことをお勧めします。
完成・印刷した申告書を管轄の税務署に郵送すれば、
春頃には指定した金融機関口座に還付額を入金した旨の通知が送られてきます。
このように少しの手間で納めた税金が還ってきます。
10万円以上医療費を支払っているサラリーマンの方、是非医療費控除に挑戦してみて下さい。