毎年、2月15日から3月15日までが確定申告の期間です。
その時期に税務署の近くを通ると、ガードマン達が臨時駐車場に車を誘導したりして、
大変混雑しています。
サラリーマンにとっては、年末調整があります。
9月10月頃、生命保険等に加入している人に、保険会社から払い込み金額のお知らせが届きます。
11月になると人事から用紙が配布され、書き込んで12月の給料で年間での税額で調整をしてくれます。
確定申告で調整されるのは扶養控除と生命保険料や地震保険料の控除です。
専業主婦になる人と結婚した場合や子どもが産まれたときなど、
扶養家族がひとり増えますので、控除額が増えて税金が戻ってくるのです。
生命保険等をかけている人も、保険料が一定額控除になりますので戻ってきます。
サラリーマンには、この年末調整で税金が清算されたと思っている人が意外と多いと思います。
いえいえ、まだ税金を取り戻す手があります。
それが確定申告です。
それでは、確定申告ではどのような項目が控除されるのでしょう。
主に3つの控除項目があります。
1つ目は雑損控除、2つ目は医療控除、3つ目は寄付金控除です。
この他に住宅取得控除があります。
これは、ローンを利用して住宅を取得した場合、特定の条件にあてはまっていると、税金が還付されるものです。
初回の申請は確定申告で行いますが、2年目以降は年末調整で還付請求をします。
住宅を購入する場合、住宅取得控除の対象になるかは仲介してくれる不動産業者に確認してみると良いでしょう。
確定申告での控除項目を一つひとつ見てみましょう。
まず、雑損控除です。
これはあまり適用される例はないかも知れません。
災害や盗難、横領などによって住宅や家財に損害を受けたとき、その損失分のその一部を控除してもらえます。
ただし保険等で損失が補填された場合、その部分は控除対象にはなりません。
友人が水害に遇い、雑損控除を申請したと聞いたことがあります。
2つ目は、医療控除です。
年間の医療費の合計がある額を越えた場合(一般的には十万円)、
越えた部分が控除対象になります。
これも、保険などで補填された場合は、その金額は控除額から差し引かれます。
健康保険組合の高額療養費制度と違って、分娩費用も医療費として扱われますので、
子どもが産まれた翌年の確定申告では、それなりの額の還付が期待できます。
また、風邪を引いたので近くの薬屋で風邪薬を買った場合でも、その代金は医療費に相当します。
骨折して松葉杖を借りた場合、その費用も医療費です。
ただし、健康診断や人間ドックのような費用は、何か重大な疾病が見つからない限り医療費とみなされません。
3つ目は寄付金控除です。
寄付金なら何でも控除されるわけではありません。
政治団体や公益法人などに対する寄付が、全額ではありませんが認められます。
ふるさと納税も寄付金控除の対象です。
大学等の入学時に求められる寄付金は、この控除の対象にはなりません。
ただし、大学などの卒業生に学校が寄付を依頼する場合、控除対象の場合があります。
そのような場合は、寄付を求める手紙の紙面に大抵明記されています。
これは控除ではありませんが、預金の利子や、
株の配当などの分離課税で天引きされている税金は確定申告で総合課税にできます。
所得が多くて税率が20%を越えている場合は意味がありませんが、
比較的所得が低い若者などにでは少し節税ができるチャンスです。
ただし、総合課税にすると所得が増えますので、住民税にも影響します。
きちんと調べておかないと、節税にならないこともあります。
注意しましょう。
冒頭で書きましたが、確定申告の時期に税務署は混み合います。
そのため、確定申告をついつい敬遠してしまいます。
しかし、確定申告は税務署の窓口で書類を作る必要はありません。
誰か経験者を捜して書類の書き方を聞いてしまえば、
申請書類とその他必要書類、領収書などを封筒に入れて、
税務署の入口近辺に設置される大きなポストに投函するだけです。週末でも投函できます。
私は住宅取得控除と初めての子どもの医療費控除のときは税務署の窓口で記入の仕方を聞きましたが、
それ以降は用紙をもらってきて記入し投函しています。
さらに、最近はe-taxというインターネットベースでの書類作成と書類提出ができるシステムもできています。
e-taxでの受付期間は少し長いようですので、余裕を持って準備ができます。
ただし、e-taxで書類提出までする場合は住基カード、
そして今後はマイナンバーの個人番号カードが必要です。
また、カードを読むカードリーダーも必要になります。
ちょっとだけ投資が必要になりますが、非常に便利です。
確定申告をすると、税額がどのように決まっているかが分かってきます。
節税の仕方も見えてきます。
社会人の常識として、確定申告を経験してみませんか。